![]()  |  バレス=ウル=ハレビィ この物語は、 後のエルフ王バレスの 放浪時代の物語である(仮)  | 
(1日目)
![]()  | 俺の名前はバレス。冒険者を志す者だ。 | 
俺の名前は父親がつけてくれたのだが、ある騎士団のお偉いさんからとった名らしい。今の俺はそれには程遠いが、この町で一旗あげるためにやってきた。今、この町では冒険者を募集している。
冒険者の登録所へ行くと、なんと俺が一番乗り。少し早く来すぎたか?
まあいい。とりあえず同志が集まるまでゆっくりしようじゃないか。冒険者の登録をすれば酒場でタダ同然で飲み食いができる。とりあえず食うのには困らない。
今日はもう遅いので酒場で一杯だけ飲んで宿屋で寝るとしよう。
(2日目)
 次の朝早く、2人登録所へやってきた。一人は高坂(たかさか)
。もう一人はハプルース
と名乗った。
![]()  | 東の国から来た高坂です。どうぞよろしく。 | 
![]()  | 南の杜の都から来たハプルースだよ。よろしくね。 | 
 その日の夜にもう一人現われた。名前をハンズィ
という。
![]()  | ハンズィです。よろしくです。 | 
これで俺を入れて4人。4人ぐらい集まれば何とかなるか?
しかし、高坂が「4人は少ないだろう」ということで俺は思いとどまった。ハンズィも着いたばかりだしな。明日から出発というには早すぎるか。どうやら俺だけ気が焦っているようだ。
ああ。早く新しいメンバーが来ないかなぁ。
(3日目)
今日は誰も来なかった。まあ、そんな日もあるだろう。
(4日目)
今日も誰も来ない・・・
うーん。メンバーが集まらないなぁ。
とりあえず冒険に出ても困らないように適度に体は鍛えておこう。
と言ってもほとんど酒場で過ごすんだけどな。
今日わかったことはハンズィが大飯食らいってことだ。
![]()  | 飯うめぇー! | 
(5日目)
酒場で時間をつぶすのも飽きてきた。
あー、来ない。新しいメンバーが来ない。
でも考えてみればそうだよなー。大金が手に入るかもしれないとはいえ、自分の命を賭けなくちゃならないもんなー。敵に攻撃されれば怪我もするし、死ぬことだってある。生き返る可能性があるとはいえ、大金が必要だし、100%生き返るわけでもない。
そんな簡単に集まるはずも無いか・・・
今日もハンズィが大飯を食らっている。
![]()  | もう、た・べ・ら・れ・な・い。 | 
![]()  | ・・・ | 
ちょっと不安になってきた・・・
(6日目)
今日も新しいメンバーは来ない・・・
 かと思われたが、夜になって一人現われた!名前は、ほしねこ
。ほしねこは少し変わった方言を話す。
![]()  | ほしねこと言うネコ。よろしくネコ。最後にネコって言うのは方言なので気にしないでくれネコ。 | 
久しぶりに新しいメンバーが来たことで酒場は盛り上がった。
 嬉しいことは続くもので、さらにもう一人来てくれた。名前をそーすけ
という。
![]()  | そーすけと言います。よろしく。 | 
やったぜ。これで6人。迷宮に潜るには6人がベストと聞いている。
明日はついに冒険者の本登録にいくぜ!
俺はその日、興奮してなかなか眠れなかったのはいうまでもない。
(7日目)
今日はついに冒険者の本登録に行く日だ。
俺はいつもより少し早く起き、みんなを起こしてまわる。酒場で軽く朝食をとり、準備が整ったらみんなを連れて冒険者の登録所へ行く。
さあ、いよいよ本登録だ。俺はすこしドキドキしていた。
![]()  | すいませーん!本登録に来たんですけどー! | 
![]()  | あ、はいはい。じゃあ、これに名前を書いて2番に進んでください。 | 
俺は言われたとおりにカードに自分の名前を書くと、2番と書いてある方に進んだ。
その後、身体検査、運動能力検査、オーラ診断などが行われ、俺の能力がカードに書き込まれていく。俺は素早さは早いが、他の能力は並だな。
![]()  | あなたの運は9です。 | 
最後に俺たちは脳内変換装置の前に座らされ、適正職業などが判断される。ある意味ここが一番重要だ。
![]()  | はい撮りますよー。・・・カシャ | 
俺の頭の中はこうなっているらしい。

中立のエルフってのは俺の性格や種族だが、メイジブラスターやテレポーターなどの「罠」が目立つ。
![]()  | あなたの適正職業は、盗賊です。 | 
![]()  | え?ちょ?あ、あの・・・ | 
![]()  | はい、つべこべいわなーい。次の方ー。 | 
![]()  | いやいやいや。あのー。他に無いんですか? | 
![]()  | 無いですね。はい次の方ー。 | 
![]()  | えー、でもー・・・ | 
![]()  | そのグラフの中にロード的要素も侍的要素もないでしょ?つまりあなたにロードになる素質も侍になる素質もないの!わかる?それにあなた中立でしょ?あなたメイジブラスターには敏感みたいだから、盗賊が一番いいのよ。逆に盗賊の才能はあるの。説明は以上!はい次の方ー。 | 
![]()  | は、はぁ・・・(とほほ) | 
なんと俺の職業は盗賊になってしまった。俺の希望としては、かっこいいロードか侍がいいと思っていたのだが、よりによって盗賊とは・・・。はぁ。なんだか体の力が抜ける思いだ。
他のメンバーはどうかというと、

![]()  | 正体不明の存在に興味があり、テレポートする能力も秘めています。あああああというのも正体不明な人物を表します。プリースト的能力もわずかに感じます。彼は正体不明なものを解き明かしたい欲求が高いようです。彼の適職はビショップです。 | 

![]()  | 頭の中の約半分を剣が占めています。彼は良い剣を求めているようです。彼はいい戦士になるでしょう。彼の適職は戦士です。 | 

![]()  | 彼の頭の中にはメイジブラスターが気になる傾向が強いようです。メイジブラスターが50%を超えていますのでメイジブラスターを外すというより、メイジブラスターに引っかかる恐怖のイメージの方が強いようです。テレポーター能力もわずかに秘めています。彼は魔法使いが適職でしょう。エルフがわずかに出ているのは、彼の親族の中にエルフ族がいるためでしょう。 | 

![]()  | 彼の頭の中は、伝説の騎士がほとんどを占めています。ロードになれる才能を持っています。しかし残念なことに性格は悪のようです。彼の適職は戦士です。 | 

![]()  | 彼の頭の中は仲間を癒すことで一杯のようです。強大な悪魔を飼い慣らしたいという欲求も見えます。しかし、基本的な性格は善のようです。彼の適職は僧侶です。 | 
![]()  | ハプルースが戦士だって!? | 
![]()  | こう見えて、おいら結構力つよいんだぜ。 | 
能力値を見てみると、力15。うっ!俺より強い。よく見りゃ腕の筋肉すごいな。
さて、脳内変換装置の結果から以上のような結果となった。しかし、同時に問題も出てきた。
![]()  | なに!?ほしねこは性格悪なのか!?性格悪のやつとは組めん! | 
![]()  | そっちこそ性格善だったネコね!性格が善のやつとは気が合わないネコよ! | 
![]()  | お、俺も善なんだが・・・ | 
![]()  | 昨日の酒の飲み方がどうも気に入らないと思ったらそういうことだったのか! | 
![]()  | こっちだって気になってたネコよ!あんな几帳面な飲み方じゃあ、美味しいお酒も美味しくなくなるネコ! | 
![]()  | お前のように自由すぎる飲み方よりましだ!秩序を乱すやつは好かん! | 
![]()  | なんだとネコー! | 
![]()  | まあ、まあ、まてまて2人とも。冷静に話し合おうよ。 | 
高坂、そーすけの性格が善、ほしねこの性格が悪だったため、このままでは同じパーティに入れられない。
このまま放っておいたらケンカが始まるので、俺を交えて冷静に話し合うことにした。
このままどちらかに抜けられると、また冒険者を待たなくちゃならない。もし、高坂とそーすけが抜けた場合は、こちらは4人、あちらが2人となり、どちらも6人そろうまで時間がかかるだろう。ほしねこが抜けた場合は、こちらは5人で、後1人入ればそろうが、抜けたほしねこが可愛そうだ。どちらにしてもあまり良い選択肢とは言えない。
そこで、俺はこんな妙案を思いついた。
![]()  | みんなすぐに冒険に出たいのは一緒だよな? | 
![]()  | うむ。 | 
![]()  | 出たいネコ。 | 
![]()  | まあ、そうだな。 | 
![]()  | よし。じゃあ、こういうのはどうだ?もし、冒険中にどちらか選択しなきゃならない場面があったとする。そのとき、コイントスをして、表が出たら善の性格の方。裏が出たら悪の性格の決定に従うっていうのは? | 
![]()  | いちいち話し合うより手っ取り早いな。いいだろう。 | 
![]()  | よし、それでいいネコ。 | 
![]()  | 俺もそれでいいぜ。 | 
![]()  | よし。じゃあそれでいこう! | 
ふぅ。ひとまずパーティ解散の危機は免れた。
午後からは各職業別に初級訓練カリキュラムを受ける。
俺はもちろん盗賊カリキュラム。なんだか気乗りはしないが、俺が冒険者として残された道はこれしかない。気を取り直して頑張るしかないか。
![]()  | 今から盗賊訓練を行う。 | 
![]()  | よろしくお願いします。 | 
![]()  | まずはこの石を力強く握り締めろ。 | 
俺は小さな石を訓練教官から手渡された。何がなんだかよくわからないが、とりあえず言われたとおり手渡された石を握り締めてみた。
![]()  | よし、握ったな。これで今日からお前は盗賊として生きていけるぞ。 | 
![]()  | え?こんな簡単に? | 
![]()  | ああ、そうだ。その石の力でお前に眠っていた盗賊としての才能が引き出されたはずだ。後の時間はとにかく実践だ。まずはこの鍵開け訓練からだ。 | 
それから俺はとにかく鍵を開ける実践ばかりだった。だが、自分でも不思議なくらいに鍵を開けることが出来た。
![]()  | よしよし、なかなかスジがいいぞ! | 
やはり俺には盗賊としての才能があったらしい。嬉しいやら悲しいやら。
カリキュラムが全て終わると、冒険者としての基礎知識を教えられ、その日は終わった。
そして、冒険者カードが配られ、最後に国からの補助金を貰って、訓練場での長い一日は終わった。
![]()  | 補助金は150ゴールドか。結構もらえるな。でも武器が高いんだよなー。 | 
今日はもう遅いので、装備を整えるのは明日になるな。
酒場に戻り、みんなの冒険者カードを見てみると、こんな感じだった。
![]()  | 俺ホットポイントひくぅ! | 
![]()  | 盗賊だからそんなもんじゃない? | 
![]()  | っていうかハンズィが高すぎるんだよ。しかも生命力15って・・・ | 
![]()  | よく飯食うからね。 | 
![]()  | 俺も明日からたくさん飯くうかな・・・ |