ウィザードリィ・外伝 虹色の聖杯
−無転職の挑戦者たち−

(ウィザードリィオンラインで出会ったまどかさん、プリシラさん、さくらさん(Youthさん)に感謝の気持ちをこめて)



〜80年前 死者の国にて〜

 
 現世では各人が使命を果たすために生きているのですよ。
 
 使命?
 
 人は多かれ少なかれ使命みたいなものを持っているのです。でもその使命を果たすには目の前の自分が出来ることを積み重ねるしかないのです。
 
 目の前の自分が出来ることか。
 
 その目の前の自分が出来ることを積み重ねていき、ふと振り返ったときに自分のやってきたことが結果として付いてくるのです。
 
 目の前の自分が出来ることか・・・。



寺院に運び込まれた遺体は何らかの理由で置去りにされることがある。
そして何らかの理由で他の場所に移されることがある・・・
これはそんなことから始まる物語・・・。



他国との戦争で疲弊したアルムガートの国王・カディールは、国力の回復と自らの野望のため、ある行動に移った。
近年、この国から少し離れた場所で迷宮が見つかった。
噂ではこの迷宮の地下深くには不思議な力をもつ聖杯があるとされ、カディールはこれに目をつけたのだ。
側近達は国王に、そのような怪しげな噂に惑わされてはならないと進言したが、聞く耳をもたない王は即座に兵士を送り込んだ。
だが、何日たっても兵士は一人も戻らず、その後幾度も兵を差し向けても結果は同じだった。
とある晩、日に日に機嫌が悪くなる王の前に、何者かが現れ、こう言い放った。
「これ以上無駄な血を流すのはやめなさい。貪欲なまで力を求めれば、必ず災いが訪れるでしょう・・・」
それは女性のような声であったという。
愚かな王はこの警告を怪物が宝を奪われたくないがための戯言としか理解しなかった。
翌日から、聖杯探索はさらなる勢いで押し進められた。
兵力が減ると、今度は流れ者の冒険者に依頼するようになり、城下町には恩賞目当てに集まった人々がよく眼に映るようになった。

だが、それも一時のことで、やがて一人減り、二人減り、迷宮に挑む冒険者の数は日に日に減っていった。

まだ見ぬ力にとり憑かれた国王は、迷宮の秘宝を手にすることができるのか。
そして力の聖杯のもたらすものとは・・・




  ここにまた新たな冒険者が深き迷宮に挑もうとしている。


〜マサヨン達が迷宮に入る8ヶ月前〜

 
 おいっ!死体が来たってよ!
 
 え?あの、元冒険者のですか!?
 
 おうよ。詳しくは元冒険者の灰らしいけどな。
 
 それで・・・その人も仲間に?
 
 あたぼーよ!これだけ人手不足なんだ。使えるものは使わないとな!
 
 仲間になってくれますかねー?
 
 それはおまえ・・・力づくでも
 
 いやいや。平和的に行きましょ。




music by 12012 ♪サイクロン



 
 う、うぅーーん。ここは・・・
 
 生き返ったようだな。
 
 エルフで男の人のようですね。
 
 す、すごい。灰からの復活って凄いですね。
 
 なに!?灰!?
 
 おう、よかったぜ。灰からの復活って復活確率がちょっと低いらしいからな。
 
 くそっ。俺は灰になっていたのか。何はともあれ助かったようだ。ありがとう。
 
 いいって事よ。それでだな。お前を復活させたのは
 
 私達の仲間になってほしいのです。
 
 えっ?・・・えーっと。
 
 お願いできませんか?
 
 (この子かわいいな)え、いやー。あのー。
 
 なんだよ。なにか文句あんのかよ?
 
 いや、文句はないけど。俺も冒険者なんだ。どこかのパーティに属していたはずだが・・・
 
 どこのパーティ?
 
 えーっと・・・思い出せない。
 
 あぁ。死んだ期間が長かったりすると、記憶が曖昧になったりするらしいからな。
 
 そうなのか。ところで今何年の何月なんだ?
 
 1014年の10月ですよ。
 
 1014年!???
 
 どうかしたのか?
 
 1014年・・・俺は・・・80年以上も寝ていたのか!?
 
 80年!!?
 
 あらら。そんなに。
 
 こ、これは・・・ダメだな(いろいろな意味で)・・・




music by ナイトメア ♪極東乱心天国






 
 やっと気持ちの整理がついたか。
 
 あぁ。分かったよ。君達と行くよ。
 
 やったー。
 
 ありがとうございます。
 
 オレの名はマドカ。こう見えても女だからな。間違うなよ!
 
 私はサクラ。魔法使いです。
 
 私は・・・プリシラです。職業は僧侶です。
 
 マドカにサクラにプリシラか。よろしくたのむ。




music by 12012 ♪SHINE





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